和綿の種まき by Mory
2008年 06月 09日
そもそも和綿の存在に気づかされたのは、10年ほど前、鴨川和棉農園の田畑健さんのお話を伺ってから。
自給自足をするとき、衣食住の食住はある程度出来ても、衣の自給は一番難しい。衣服を作ると言うことは、繊維の原料を育てるか調達し、それを織るなり編むなりするという膨大な作業が必要となる。
そして、綿畑は地球上の農地の数%を占めるが、そこで使われている農薬は全使用量の4分の1にもなるという。しかも綿を大型機械で収穫するときに「じゃまになる」葉を落とすために、ベトナム戦争でも使われた枯れ葉剤が使われている。
最も意外で、最も腑に落ちたのが、インド独立の父、マハトマ・ガンジーの話。彼はいつも綿を紡ぐチャルカ(手紡ぎ車)を回していた。それは彼にとって祈りであり、自分の手足を使って自分の暮らしを立てることの象徴であり、それがひいてはインドの人々の、イギリス=近代機械文明からの自立、自治につながると考えていた。
わが家でも衣の自給まではなかなか無理でも、まずは和綿という日本列島の気候にあった衣の素材を育て、受け継いでいくことから始めたい。そんな思いでみんなで種をまいた。
チャルカを巡るガンジーの思想は、田畑さん編の『ガンジー 自立の思想 〜自分の手で紡ぐ未来〜』(地湧社)に詳しい。一読の価値あり。