『森の哲学者 メイナク族』鑑賞会にいらしたみなさま、どうもありがとう by Mory
2007年 03月 27日
今回は映像を見て、それに関する質疑応答をして、という良くあるパターンにせず、見た人それぞれの思いをシェアリングするという場にさせていただきました。メイナク族の生きる知恵をただ一方的に持ち帰るだけでなく、自分の思いを表現することでメイナク族に物語のお返しをする。そうすることでメイナクの知恵はそれぞれの中により深く染み入ってゆき、彼らに対するリスペクトにもなる。そんな思いで作らせていただいた場でした。
参加者の方々はもともと先住民族の文化に興味ある方が多く、シェアリングの場はとても熱い語り合いの場となり、メイナクの暮らしから様々な知恵を読み取られていたようでした。そしてみなさんの共通認識としてあったのが、ヒトとして生きる基本を見せられたという意識。
現在さまざまな共同体を作る試みが日本を含めた世界各国で行われていますが、頭で考えすぎているとか、何かが欠落しているとか、そんな場所が多いという感想がシェアされました。そしてそうした発言をした人たちの中では、メイナクの暮らし方がすごく腑に落ちたと。これで良いのではないかと。
さらに先住民族が持っている大地とのつながり、その土地のスピリットとともに生き、リスペクトするという生き方。それが健全な共同体を形作るのに必要なことなのではないかというコメントもいただきました。
さらにぼくが見た限り、有機的に機能している共同体(に限らず組織一般)にはすぐれたリーダー的存在がいます。すぐれたというのは、決して威張っているとか、がんがん引っ張っていくとかではなく、コミュニティの構成員をとりまとめるのがうまく、権威を傘にした言動をけっしてせず、自ら動く、という人としての資質です。
インディオ村の村長は、とにかくよく働き、人の意見を聞きます。そうすることで村人は村長をリスペクトし、自らも行動に移します。教祖様になってふんぞり返っているリーダーなどいません。(もしそういうリーダーであれば、そのコミュニティの将来は危ういでしょう。)
そうは言っても、共同体を作るのはひとりひとりの人間。答えはどこかの誰かが持っているのではなく、自分の中にあるのだと言うことをもう一度思い出すときが来ています。今回集まっていただいたみなさんは、メイナクの生き様を見て自分の中に何らかの答えを見いだして帰られたようです。
最後に、この場を作り上げるのに尽力されたみなさん、そこに集まったみなさん、そして部族の生きる知恵を開示してくれたメイナク族のみなさん、すべてのつながりあう人々に感謝します。どうもありがとう。